ラズベリーパイをおいしく料理してみる(3)-キーボードとLANの設定

起動時初期設定が済んだところで、システムの初期設定(基本設定)を行ってみましょう。

1.キーボードの設定変更

 SSH接続で使用する分には意味はないが、本体に日本語USBキーボードをつなぐ場合には”XKBMODEL”と”XKBLAYOUT”の項目を変更しておくと良い。
さらに、GUI画面で使用するにはフォントのインストールも必要になるでしょうが、今回はGUI環境は使用しないのでそこまではやりません。

対象設定ファイル : /etc/default/keyboard

<変更前>

# KEYBOARD CONFIGURATION FILE

# Consult the keyboard(5) manual page.

XKBMODEL=”pc105″
XKBLAYOUT=”gb”
XKBVARIANT=””
XKBOPTIONS=””

BACKSPACE=”guess”

 

<変更後>

# KEYBOARD CONFIGURATION FILE

# Consult the keyboard(5) manual page.

XKBMODEL=”pc106″ <- “pc106” に変更した
XKBLAYOUT=”jp” <- “jp” に変更した
XKBVARIANT=””
XKBOPTIONS=””

BACKSPACE=”guess”

 

 

2.有線LAN設定の変更

 初期状態では、有線LANはDHCPからアドレスの払い出しを受ける設定になっているが、固定ipアドレスを割り当てるように変更する。

対象設定ファイル : /etc/network/interfaces

<変更前>

auto lo

iface lo inet loopback
iface eth0 inet dhcp

 

<変更後>

auto lo

iface lo inet loopback
#iface eth0 inet dhcp <- コメントアウト
iface eth0 inet static <- 追加
address 192.168.1.101 <- 追加 (設定したいIPアドレス)
netmask 255.255.255.0 <- 追加
network 192.168.1.0 <- 追加しなくてもかまわない
broadcast 192.168.1.255 <- 追加しなくてもかまわない
gateway 192.168.1.1 <- eth0経由でルータへアクセスする場合には記述を追加。そうでないなら追加しない。

 

 

3.無線LAN設定の変更(無線LANを使用しない場合には読み飛ばしてください。)

 今回は無線LANを使用するので、前述の有線LAN設定の記述の後に追記する形で以下の手順で設定する。
なお、暗号化形式に”WPA2-PSK AES”を採用した。

3.1.IPアドレスに関する設定変更

(1)DHCP使用の場合

対象設定ファイル : /etc/network/interfaces

<変更前>

allow-hotplug wlan0
iface wlan0 inet manual
wpa-roam /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.conf
iface default inet dhcp

 

<変更後>

allow-hotplug wlan0
#iface wlan0 inet manual <- コメントアウト
iface wlan0 inet dhcp <- 記述を追加
#wpa-roam /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.conf <- コメントアウト
wpa-conf /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.conf <- 記述を追加
iface default inet dhcp

 

(2)固定IPにする場合

対象設定ファイル : /etc/network/interfaces

<変更前>

allow-hotplug wlan0
iface wlan0 inet manual
wpa-roam /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.conf
iface default inet dhcp

 

<変更後>

allow-hotplug wlan0
#iface wlan0 inet manual <- コメントアウト
iface default inet static <- 記述を追加
#wpa-roam /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.conf <- コメントアウト
wpa-conf /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.conf <- 記述を追加
#iface default inet dhcp <- コメントアウト
address 192.168.1.101 <- 記述を追加(設定したいIPアドレスを記述)
netmask 255.255.255.0 <- 記述を追加
gateway 192.168.1.1 <- wlan0経由でルータへアクセスする場合は記述を追加。そうでないなら追加しない。

※補足)
wpa-roam … 記述の部分については、wpa-roam記述ではRaspberryPi内蔵のEthernetと無線LAN(USB接続)のローミング(自動切り替え)を行う場合に使うものなので、このままでは再起動後に有効化する操作を行わないと無線LANが有効にならず、また、起動中(有効になっている状態)に有線LANケーブルを挿すと、その段階で無線LANが無効化されてしまうはずなので注意すること。
今回は有線と無線を同時使用するのでコメントアウトしたままにしている。

 

3.2.接続先設定(/etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.conf の編集)

(1)無線LANの SSID とキーを登録

 以下の手順で、接続先(アクセスポイント)のSSIDとキー(パスフレーズ)を wpa_supplicant.conf にへ設定(登録/書き出し)する。
(下記ではカレントディレクトリを変更していますが、変更なしでファイル名をフルパス指定にしてもよいです。)

$ sudo bash
# cd /etc/wpa_supplicant
# wpa_passphrase SSID pass >> wpa_supplicant.conf

SSID          :  無線LANのSSID
pass          : キー(パスフレーズ)
wpa_supplicant.conf : 書き出し先ファイル名

 

(2)設定情報の追加

前手順での登録後に暗号化形式等の追記を行う。
※アクセスポイントによっては追記不要なので、後述の無線LANアダプタの再起動の後で接続の確認ができない時に追記しても良い。

 

対象設定ファイル : /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.conf

<変更前>

ctrl_interface=DIR=/var/run/wpa_supplicant GROUP=netdev
update_config=1
network={
ssid=”xxxxxxxxxxxx”
#psk=”ppppppppppppp”
psk=cccc2a717xxxxef63a10e3c33532xxxx5f23b4210dxxxxc12cf8xxxx70dxxxxc
}

 

<変更後>

ctrl_interface=DIR=/var/run/wpa_supplicant GROUP=netdev
update_config=1
network={
ssid=”xxxxxxxxxxxx”
proto=WPA2 <- 記述を追加
key_mgmt=WPA-PSK <- 記述を追加
pairwise=TKIP CCMP <- 記述を追加
group=TKIP CCMP <- 記述を追加
#psk=”ppppppppppppp” <- この行は登録時のキー(パスフレーズ)そのままなので削除したほうが良い。
psk=cccc2a717xxxxef63a10e3c33532xxxx5f23b4210dxxxxc12cf8xxxx70dxxxxc <-変換されたパスフレーズ
}

 

3.3.インタフェースの再起動

以下の手順(コマンド)でインタフェース(wlan0)を再起動する。

# ifdown wlan0
# ifup wlan0

3.4.設定(再起動後)の有効化を確認

 ifconfig コマンドにて、インタフェース情報から意図したIPアドレスが設定されているかを確認する。

<設定(インタフェース再起動)前>

# ifconfig
eth0 Link encap:イーサネット ハードウェアアドレス b8:27:eb:fe:b1:e5
inetアドレス:192.168.1.14 ブロードキャスト:192.168.1.255 マスク:255.255.255.0
UP BROADCAST RUNNING MULTICAST MTU:1500 メトリック:1
RXパケット:1436 エラー:0 損失:0 オーバラン:0 フレーム:0
TXパケット:1050 エラー:0 損失:0 オーバラン:0 キャリア:0
衝突(Collisions):0 TXキュー長:1000
RXバイト:128040 (125.0 KiB) TXバイト:129774 (126.7 KiB)lo Link encap:ローカルループバック
inetアドレス:127.0.0.1 マスク:255.0.0.0
UP LOOPBACK RUNNING MTU:65536 メトリック:1
RXパケット:0 エラー:0 損失:0 オーバラン:0 フレーム:0
TXパケット:0 エラー:0 損失:0 オーバラン:0 キャリア:0
衝突(Collisions):0 TXキュー長:0
RXバイト:0 (0.0 B) TXバイト:0 (0.0 B)wlan0 Link encap:イーサネット ハードウェアアドレス dc:fb:02:58:67:03
UP BROADCAST MULTICAST MTU:1500 メトリック:1
RXパケット:69 エラー:0 損失:8 オーバラン:0 フレーム:0
TXパケット:2 エラー:0 損失:0 オーバラン:0 キャリア:0
衝突(Collisions):0 TXキュー長:1000
RXバイト:13987 (13.6 KiB) TXバイト:288 (288.0 B)

※wlan0のハードウエアは認識しているけれども、IPアドレスは割り振られていない状態。

 

<設定(インタフェース再起動)後>

# ifconfig
eth0 Link encap:イーサネット ハードウェアアドレス b8:27:eb:fe:b1:e5
inetアドレス:192.168.1.14 ブロードキャスト:192.168.1.255 マスク:255.255.255.0
UP BROADCAST RUNNING MULTICAST MTU:1500 メトリック:1
RXパケット:1656 エラー:0 損失:0 オーバラン:0 フレーム:0
TXパケット:1223 エラー:0 損失:0 オーバラン:0 キャリア:0
衝突(Collisions):0 TXキュー長:1000
RXバイト:148646 (145.1 KiB) TXバイト:164872 (161.0 KiB)lo Link encap:ローカルループバック
inetアドレス:127.0.0.1 マスク:255.0.0.0
UP LOOPBACK RUNNING MTU:65536 メトリック:1
RXパケット:0 エラー:0 損失:0 オーバラン:0 フレーム:0
TXパケット:0 エラー:0 損失:0 オーバラン:0 キャリア:0
衝突(Collisions):0 TXキュー長:0
RXバイト:0 (0.0 B) TXバイト:0 (0.0 B)wlan0 Link encap:イーサネット ハードウェアアドレス dc:fb:02:58:67:03
inetアドレス:192.168.1.101 ブロードキャスト:192.168.1.255 マスク:255.255.255.0
UP BROADCAST RUNNING MULTICAST MTU:1500 メトリック:1
RXパケット:71 エラー:0 損失:8 オーバラン:0 フレーム:0
TXパケット:4 エラー:0 損失:0 オーバラン:0 キャリア:0
衝突(Collisions):0 TXキュー長:1000
RXバイト:14269 (13.9 KiB) TXバイト:576 (576.0 B)

※無事wlan0にもIPアドレスが割り振られている状態。
暗号化部分についても、設定できていないとアクセスポイントに接続できないので、接続確認できれば正しく設定できたものと判断できるでしょう。
心配なら無線LANのIPアドレスへssh接続してみても良いですね。

 

以上でキーボードとLANの設定は終了です。

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