OSイメージのSDカード上への展開を完了したところで、早速起動してみましょう。
1.SDカードを本体に挿す
OSの書き込みの完了したSDカードをRaspberry Pi(本体)に挿しましょう。
Type B+だと、挿したカードは本体からはみ出すことがなくなっているのでうっかり引っ掛けてしまう心配が無いのがうれしいですね。
2.必要な周辺機器の接続
ディスプレイをつないで使用するのであれば、HDMI端子やアナログコンポジット端子(にそれぞれに対応したケーブルで、本体とテレビ(またはモニタ)に接続します。Type B+ からは、コンポジット端子は4極ミニジャックに集約されているので、対応ケーブルを用意しましょう。
音声出力を必要とするならば、ミニジャックから出力を取り出します。Type B+では、4極ミニジャックになっているので対応ケーブルを用意しましょう。
GUI(ディスプレイ)でセットアップor使用するのであれば、USB経由でキーボードとマウスもこの段階で接続しておきます。
LAN(インターネット)に接続したければ、LANケーブルでHUBにつないでおきます。まれに、HUB経由でDHCPサーバからIPアドレスを割り当て てもらえなかった場合には、HUBを経由しないでHDCPサーバ(たぶんルータが兼ねているケースが多いと思いますが)に接続しましょう。
LANに関しては、デフォルトではDHCPを使用する設定になっているので、LAN経由での接続しか考えていない方は、DHCPサーバに接続できるようにしておかないとネットワークアダプタ自体が無効になってしまっている(=使用できない)可能性があります。
自分は、LAN経由で接続してCUIで使用するケースしか考えていなかったので、この段階でもLANケーブルを接続するのみで終了です。IPアドレスにつ いては、一度だけDHCPサーバに振り出してもらったIPアドレスで接続し、後述設定変更のタイミングで固定IPアドレスで使用する設定に変えて、以降は 固定IPにて運用する予定です。(後述)
無線LAN設定についてははOS設定が済んでから別に実施するので、この段階では接続しなくてOKです。
3.電源を接続
本体のmicroUSB端子にUSBケーブル経由で電源アダプターを接続します。電源SWはないので、接続と同時に電源ONになります。
電源スイッチ等が無いのは、組み込み的な用途を考慮してのことなのでしょうか?
(ここからは、LAN経由での設定限定の説明なので、GUI(ディスプレイ接続)での設定に関しては触れませんので、GUI画面での設定を考えている方は、別のサイトでの説明の方が適していると思いますのでそちらを参照してください。)
4.IPアドレスの確認
しばらく待って、DHCPサーバのステータスから、DHCP払い出し状況をチェックし、ラズベリーパイに振り出されたIPアドレスを確認します。
確認できない場合は接続等をチェックして、電源のOFF-ONで再度チェックします。
5.ログイン
確認したIPアドレスに対してSSH接続にてログインを試みる…
果たして…無事、ユーザ名とパスワードの入力を求めてきた。よしよし。
デフォルトのユーザ名(=”pi”)と初期パスワード(=”raspberry”)でログイン実施…無事ログイン完了。(あたりまえか)
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Linux raspberrypi 3.12.22+ #691 PREEMPT Wed Jun 18 18:29:58 BST 2014 armv6l The programs included with the Debian GNU/Linux system are free software; Debian GNU/Linux comes with ABSOLUTELY NO WARRANTY, to the extent NOTICE: the software on this Raspberry Pi has not been fully configured. Please pi@raspberrypi ~ $ |
6.初期設定の実施
ログイン直後の画面に、
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NOTICE: the software on this Raspberry Pi has not been fully configured. Please |
とあり、初期設定を実施しなくてはいけません。
指示されたコマンドを入力し、
sudo raspi-config
を実施します。すると、次の画面になります。
+———| Raspberry Pi Software Configuration Tool (raspi-config) |———-+ | Setup Options | | | | 1 Expand Filesystem Ensures that all of the SD card s | | 2 Change User Password Change password for the default u | | 3 Enable Boot to Desktop/Scratch Choose whether to boot into a des | | 4 Internationalisation Options Set up language and regional sett | | 5 Enable Camera Enable this Pi to work with the R | | 6 Add to Rastrack Add this Pi to the online Raspber | | 7 Overclock Configure overclocking for your P | | 8 Advanced Options Configure advanced settings | | 9 About raspi-config Information about this configurat | | | | | | |
設定する項目は見てのとおりですが念のためメモを記します。
Expand Filesystem
使用するSD カードのパーティションを拡張します。
初期状態では、容量の大きいSDカードを使用しても、最初は先頭の 2~3GB 程度の パーティションを使うだけになっているため、このコマンドを 選択してSDカードの容量全体を使うように設定できます。
設定後に再起動が実施されますが、処理の完了まで時間がかかるため、ハングアップと間違えないように 注意が必要との事ですが、自分が実施した際にははそんなに気になるほどの時間はかかりませんでした。SDカードの容量や使用状態にもよるのかもしれません。
補足)実施の前後のメモ
<SD カードのパーティションを拡張前>
pi@raspberrypi ~ $ df Filesystem 1K-blocks Used Available Use% Mounted on rootfs 2721336 2123392 439992 83% / /dev/root 2721336 2123392 439992 83% / devtmpfs 219832 0 219832 0% /dev tmpfs 44800 208 44592 1% /run tmpfs 5120 0 5120 0% /run/lock tmpfs 89580 0 89580 0% /run/shm /dev/mmcblk0p1 57288 9656 47632 17% /boot pi@raspberrypi ~ $ |
<SD カードのパーティションを拡張後>
pi@raspberrypi ~ $ df Filesystem 1K-blocks Used Available Use% Mounted on rootfs 14988412 2126264 12207936 15% / /dev/root 14988412 2126264 12207936 15% / devtmpfs 219832 0 219832 0% /dev tmpfs 44800 208 44592 1% /run tmpfs 5120 0 5120 0% /run/lock tmpfs 89580 0 89580 0% /run/shm /dev/mmcblk0p1 57288 9656 47632 17% /boot pi@raspberrypi ~ $ |
というわけで、領域が増えていますね。
Change User Password
初期設定ユーザ「pi」のパスワードを変更します。 初期設定のままでは危険なので変更しておきましょう。
Enable Boot to Desktop/Scratch
起動時の画面を選択します。項目選択後に、さらに、コンソール(CUI)画面、GUI画面(Xのデスクトップを表示)、Scratch のプログラミング環境のいずれかが選択できます。
※今回は、デフォルトのCUI画面でよいので、確認をかねて選択しておく程度でOKで しょう。CUIの設定でも、「startx」コマンドで X(GUI画面)を起動できるとのことですが、これはディスプレイを接続して使用している場合でしょう。どちらにせよCUIでの使用しか考えていないので 自分は気にしないのでCUIのまま変更はしません。
Internationalisation Options
国際化関連の「ロケール」、「タイムゾーン」、「キーボード配列」の設定です。
Change Locale
ロケールの設定です。「ja_JP.UTF-8 UTF-8」を選択するとメニューなどが日本語化されます。でも、CUIで使用する分には関係ない項目なので、このタイミングでは設定しません。(どうやら、GUIで使用している場合も、ここで設定しても、最初は日本語フォントがインストールされていないため、GUIでは文字化けするらしいです。)
Change Timezone
時間の設定です。日本時間の場合は 「Asia」、「Tokyo」 と指定します。
Change Keyboard Layout
キーボードの配列を指定します。普通は「Generic 105-key (Intl) PC」 を選択して「Japanese – Japanese (OADG 109A) 」でいいとのこと。直接設定ファイルを変更してもよいのでここで無理に設定しなくてもかまいません。(後述)
また、SSH接続で使用する分には設定しても意味は無いので無理に変更する必要はありません。(キーボードが接続されていないと設定できないようですね。一度も繋いだこと無いから未確認だけど…)
Enable Camera
カメラモジュールを接続している場合は有効化するため 「Enable」を選択します。カメラを接続していない場合は変更不要です。
Add to Rastrack
Rastrack http://rastrack.co.uk/ への登録を行うスクリプトです。でも、直接サイトへ行っても登録できる上、必須ではないので特に設定(選択&実行)する必要はないかと。(イイノカナ?)
Overclock
CPU、GPU、メモリのクロックの初期設定はそれぞれ700MHz、250MHz、 400MHzですが、高負荷になった場合、オーバークロックして最大CPUは 1GHz、GPU は 500MHz、メモリは 600MHz まで高速化する事が出来ます。
過度のオーバークロックはシステムの寿命を短くする可能性や、SDカード (の内容)を壊す可能性があるという警告が表示されるので、「自己責任で」 ということになります。
自分の場合は、安定動作のほうが優先で、高性能化を極める気も無いので、当然、デフォルトのまま、オーバークロックはしませんでした。
Advanced Options
その他のオプションです。
Overscan
画面の周囲をちょっと空けるオーバースキャンを設定します。 画面周囲が切れるような場合(テレビ?)に使用します。
SSH接続で使用する分には設定する必要はありません。
Hostname
ホストネームの設定です。変更するのであれば選択します。
Memory Split
CPUとGPUへのメモリの配分を変更します。
ここで設定した値 (MB単位) が GPU へ割り当てられ、残りは CPU (ARM) に割り当てられます。
MB単位の数値を入力しますが、デフォルトは 64MB になっていて、16MB~256MBの間で設定できる様です。
CUIでのみ使用するなら変更しても良いかも。(32Mとか16Mとか)
SSH
ネットワーク越しに接続する場合には「Enable」 を選択します。
最初から「Enable」になっています。
※これまでも書いてますが、ネットワーク 越しで(SSH接続で)操作するだけの使い方ならば、キーボードもマウスもディスプレイ も設定不要です。
SPI
SPI (Serial Peripheral Interface) を使う場合に設定するようです。
ひとまず変更の必要は無いと思われたので触らないでおきました。
Audio
見ての通り、Audio設定です。
SSH接続での使用の場合には前提なので特に再設定する必要はありません。
内容自体は、HDMI端子側にAudio出力するかどうか ということらしいです。
Update
この raspi-config の新しいバージョンがあれば取得します。無理に実行する必要はありませんが、このくらいは実施しても良いのかも。
About raspi-config
このツールの情報が表示されます。(特に選択する必要はない…かな。)
設定が完了したら””を選択して確定させます。(選択後、自動的にリブートするはずです)
7.リブート後に…
リブート後に、取り急ぎセキュリティの観点からrootユーザのパスワードを設定します。
・rootユーザのパスワード設定
以下のコマンドラインで rootユーザのパスワードを設定します。
sudo passwd root
※ コマンド入力の後、パスワードを2回入力して設定終了です。
以上で基本的な初期設定は終了です。
また、この初期設定ツール(コマンド)はいつでも実施可能なので、変更したい部分があればその都度実施しても良いでしょう。